灰汁を入れて造る鹿児島の地酒。東酒造黒酒(灰持酒)

黒酒料理の手引き

食材の本来の美味しさを引き出すために

黒酒(灰持酒)は自然醸造で作られているため、旨味成分である「遊離アミノ酸」が多く含まれ、 和食・洋食・中華を問わず、調理の過程や調味の仕上げに、又、タレ作り等に効果を発揮します。

只、本格的にデビューしたのが最近ですので、多くの調理人や料理開発者によって、 更に「食材の本来の美味しさを引き出す方法」や「新しい使用法の発見」がこれから解明されていくものと確信しております。

今まで私たちが黒酒にチャレンジした結果をここに御説明し、少しでも参考になればと思います。

使用する前に

  • 黒酒は、化学調味料や日本酒・味醂とは、使い方が変わります。

なぜならば、味を付けるのはなく、食材の持ち味を生かすために使用します。
(黒酒は、特に食材の持ち味を引き出す能力があります。食材の特徴をよく理解して、使用する分量を決めることが重要です。)

  • 黒酒は火入れをしないので、酵素が活きていきます。

この持続している酵素を活かし、生タレやドレッシングの熟成に大いに活用できます。
肉や魚肉の品質改善、旨味改善に活用できます。
(注意:黒酒を暖かい場所に長時間置くと発酵してオリが発生することがあります。)
開封後は冷蔵庫に保管し、使用する量を小出しにしてください。

  • 黒酒は調理課程で幾度かに分けて使用する場合があります。

食材の持ち味を引き出し、更に料理の仕上げに分けて使うと効果的です。
(他の調味液と混ぜないで、黒酒の単独で使用する方が良い結果が出ています。)

使用方法

炒め物での使用法

豚肉とモヤシの味噌炒め

黒酒の働きが、短時間で最も分かりやすいのが炒め物です。黒酒を使用する場合は、最初に炒め物でのチャレンジをお勧めします。

  1. 食材に4〜5分程度火が通ったら黒酒を加え強火で炒め、その後に塩や醤油など味を入れてゆく方がお勧めです。
  2. チャーハン・スパゲッティー等のスープの少ない炒め物の場合は、御飯やスパゲッティーを入れる前の、具材を炒める時に使用すると効果的です。

【調理例】 野菜炒め

  1. よく熱したフライパンに油を引き、野菜を投入し、強火で軽く炒めて五分位火が通ったら、黒酒を注ぎ、更に2振り程度炒める。
    直ぐに調味料(塩・又は醤油)を入れ、良く混ぜあわせて火を止めます。
    (野菜全体の重量が1kgに対し黒酒60 〜 80 gが目安です。)
  2. 基本調味は、黒酒1.5に対し醤油1の割合が目安で、甘口は2:1にします。

たれ・ドレッシングでの使用法”

〔加熱する場合〕
焼鳥・焼肉・穴子・団子のたれ

鍋に黒酒と白双糖(白ザラメ)を入れ、強火で沸騰させ、次にだし、醤油を入れます。場合により、だしを同時にいれても効果はあまり変わりません。(基本調味例 黒酒1、だし1、醤油2、砂糖はお好みで)

クリームシチュー

クリーム系のソースの場合(ベシャメル・生クリーム・乳酸系など)

ソースの仕上げ、及び食材の持ち味を引き出す場合に使用します。

  1. ソースに使用する場合は、最初に黒酒を入れ、次にクリームを入れ、ソース全体の味を調えます。(この時のソースにはあまり変化は見られませんが、ソースを料理に使用すると違いが出てきます。
  2. 食材の持ち味を引き出すのに使用する場合は、食材に5分程度火が通ったところで黒酒を使用します。(食材とクリームソースのバランスが良くなり、味付けが楽になります。)
  3. ソースの場合 (全体ソース量1kgに対して、黒酒120gが目安です。)
    食材の場合  (食材1kgに対し、黒酒80gが目安です。)

ビーフシチュー

トマト・ブラウン系のソースの場合

ワインの代わりに使用しますが、ワイン等のようにフランベの必要はありません。
そのままソースに加えます。(クリーム系で説明したような効果が出ます。)

〔加熱しない場合〕
ドレッシング

  1. 熟成させる場合は、ドレッシングに入る調味料や野菜・香辛料でそれぞれ熟成期間が違ってきます。熟成させたドレッシングはマイルドになります。通常、冷蔵庫(保管温度10℃以下)で3日間ほど熟成させて使いはじめます。(分量は、酢・油の合計量に対し、黒酒1/4が目安です。)(余り長く熟成させると乳酸発酵し、酸味が強くなります。)
  2. 熟成しないですぐ使用する場合は、事前に黒酒のアルコールを飛ばし、
    酢と油を合わせた後に煮きった黒酒を合わせ、塩・胡椒をします。 (直接合わせる場合は、黒酒を煮きってから使用します。)(アルコールは時として、苦味になる場合があります。)
    ※ 野菜の浅漬け・キムチ・しゃぶしゃぶタレ・その他肉や魚の漬け汁等に使用する場合は、黒酒は生の方が良いです。

焼き物での使用

ハンバーグ

ステーキ・ハンバーグ・焼鳥・モロコシ焼

フライパンや鍋で焼く料理、炭火で直接焼く場合は、食材により、火加減や余熱の 具合が変わりますので、その都度、調整してチャレンジして下さい。

食材の旨味成分・黒酒の旨味成分が表面ににじみ出て、焦げやすいので、焼き加減の調整が必要です。

(最初は、強火で焦げ目をつけ、オーブンで火を通す方法が、失敗しにくいようです。)
(フライパンに残った汁は上手に活用するといいでしょう。)

調理例

  1. 生肉に塩をし、黒酒を霧吹きで肉全体に噴霧し、1時間〜2日間(好み)冷蔵庫で保管し、その後、好みのスパイスを使用して焼きます。
  2. 焼鳥・モロコシなどは焼く前に軽く塩をし、黒酒を噴霧しておきます。

煮物での使用法

アラカブの煮付け

  1. 魚の煮物の基本的な調味は、(魚1kgに対し、黒酒120g・出汁200g・醤油150g・砂糖100〜150gが目安です。)
  2. 野菜の煮物では、(出汁に黒酒を加え、野菜を煮る。野菜から旨味が出てきますので、後の調味は醤油・味噌・塩などお好みで調整してください。)
  3. 肉の煮物の基本的な調味は生肉に使用して素材の味を引き出したり、ソースの仕上げに使用します。

蒸し物・揚げ物での使用法

茶碗蒸し

蒸し物の場合は、調理する食材に黒酒を使用します。揚げ物の場合、フライでは食材に対し、てんぷらの場合は食材と衣に使用します。
(海老フライの場合、水5に対して黒酒1の割合で液を作り、約20分程度エビを漬けておきます。)

※油で揚げた時、黒酒の糖分が焦げるので、海老の色が濃くなります。衣で隠れないところには黒酒が付かないほうが良いと思います。(衣の場合、粉の重量の1/10の黒酒が目安)

西京漬けでの使用法

魚の種類により、黒酒の使用量が変わります。約2日間漬け込み、味噌を落として、中火でゆっくり焼きます。
魚に直接黒酒を振り掛けるのではなく、西京味噌の方に生酒のままで使用します。
味噌床は、それぞれ好みで造りますが、以下の分量が目安になります。

ハマチ・ブリ・・・西京味噌1kg:黒酒50g
サーモン・・・西京味噌1kg:黒酒200g
銀ダラ・・・西京味噌1kg:黒酒240g

漬け液での使用法

酢の物

食材により、多少割合が変わりますが、代表的な漬け液の目安です。

たまり液・・・黒酒1、醤油1、双糖(ザラメ)適宜
マリネ液・・・黒酒1、酢2、サラダ油3、ザラメ適宜、塩適宜

食品加工での応用

カレー

様々な食品加工の活用が考えられますが、現在までの試作で効果が明確に出た事例で応用のコツみたいなものを紹介させて頂きます。細かな技術については、それぞれの料理の調理例をご参照ください。

化学調味料やエキスを使わないで調理し、食材の持ち味を活かした、無添加の製品を目指して試作しておりますことを御理解ください。
(添加物を同時使用の場合、添加物の味を際立たせ、変な味になる場合がありますので注意が必要です。)

更なる工夫により新製品、新商品の開発にお役に立てれば幸いです。

肉類

  • 生肉・豚肉の処理

ブロックの場合、筋切りをし、塩を塗りこみ、黒酒を振りかけ、一晩寝かせて調理します。

  • スライス・コマの場合

調理しながら黒酒を加えます。

  • 挽肉(練り物)の場合

塩を加え、黒酒を肉量の8〜10%加え、一晩寝かせます。

  • 鶏肉の処理

ブロック・挽肉どちらでも調理前に黒酒を噴霧し、下ごしらえをしておきます。

魚介類

  • 焼き魚

調理前(40分位)に黒酒を噴霧します。

  • 煮 魚

調理中に黒酒を加えます。

  • 練 物

ミンチにする時に黒酒を加えます。

豆 類

乾燥豆を水で戻す時、黒酒を8〜15%加えた戻し水で戻します。
煮炊きする時、戻し水をそのまま使うほうが、豆の持ち味を更に引き出せます。

カレー

中に入れる具(肉・野菜)を炒める時に加え、ソースに対しては最後に加えます。

ちゃんぽんなど

具を炒める時に加えます。

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